巻頭特集FEATURES

横浜ティンバーワーフ

10月17日、みなとみらい・臨港パークに新たなランドマーク「横浜ティンバーワーフ」が誕生。海と緑が溶け合うみなとみらいの景色をもっと身近に、もっと特別に楽しめるような空間です。建築家・山下泰樹氏が手がけた「木(ティンバー)」の温もりを纏ったアートのような建築も注目ポイント。都市と自然が交差する新しい「憩いの拠点」の全貌に迫ります。

みなとみらいで感じる木の温もり
都市の喧騒から離れた新しいリフレッシュ拠点

横浜・みなとみらい・臨港パーク 神奈川 |2025年10月14日

みなとみらいで感じる木の温もり<br>都市の喧騒から離れた新しいリフレッシュ拠点

持続可能な未来を築く、木の建築

 

木材の循環から生まれたデザイン

横浜ティンバーワーフの最も特徴的なのは、木の柱や梁を格子状に力強く組んだ迫力のある正面(ファサード)のデザイン。その背景にあるのは山下氏の「木材を適切に循環させる」という思想で、20年ごとに社殿を建て替え古い木材を再利用する式年遷宮という考え方。これを形にするために木と鉄骨のハイブリッド材を採用。組み合わせることで高い耐火性を確保しつつ、表層の木材は取り替え可能。「定期的なメンテナンスを通じて建物の長期的かつ持続的な価値を維持・向上させることを実現しました」。従来の「スクラップ&ビルド」(古い建物を壊して新しく建て替えるのを繰り返すこと)ではない、新しい建築のあり方を世の中に提示しています。

 

自然と呼応する有機的な造形

「赤レンガ倉庫や山下公園といった個性豊かな横浜の街に新たな切り口で個性を生み出したいと考え、臨港パークの自然と調和しながらもシンボリックな建築を設計。既存の樹木が作るスカイライン(空を背景に樹木の輪郭が作る線)と馴染むアーチ状の屋根や、2階から1階にかけてくびれを持たせたフォルムなどをデザインに落とし込み、自然と建築が対等に共生するシンボルの形を目指しました」。

 

「長く大事に使う」ということ

「合理的・機能的な建築ばかりが大量に消費されるのではなく、一つ一つの建物をじっくり長く大事に使っていくべき」。脱炭素社会が求められる今、木材を使うことの意義をこのように語る山下氏。木材を用いることで、循環の中に美しさを見出し環境に配慮した建築を追求していくことを目指しています。横浜ティンバーワーフは50年後、100年後も地域に愛される、地域にとってかけがえのない場所の誕生につながりました。

  • Image
Designer Profile
山下泰樹
2008年に「DRAFT」設立。山下泰樹建築デザイン研究所主宰。インテリア・建築のデザインを中心に都市から家具づくりまで幅広いフィールドで活躍する建築家・デザイナー。

注目したい魅力的な新店

  • Image

    1F|dacō I’m donut? 横浜臨港パーク店

    都内で人気のベーカリーと生ドーナツ専門店が横浜初進出!横浜臨港パーク店限定の商品や犬用のクッキーも販売。
  • Image

    2・3F|CRAZY GRANDE MAISON

    “食事に没入する”という新たな体験ができるレストラン。ウェディングサービスを併設し、多様なシーンで特別な時間を楽しむことができます。(2026年1月開業予定)
  • Image
    みなとみらい駅や新高島駅から近い臨港パークは、心地よい潮風を感じられる、この時期の散歩コースにぴったりなスポット。横浜港を一望できる絶景で、観光の合間にテイクアウトしたパンやドーナツを食べられる休憩場所としても◎。横浜ティンバーワーフでは、来年1月以降、ランナーやウォーカーをサポートする野外レクリエーション支援機能も。
  • Image

    横浜ティンバーワーフ